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    携帯待受

    2023年11月携帯待受

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    NISSAN SKYLINE GT-R(BNR34)

    NISSAN SKYLINE GT-R(BNR34)

    NISSAN SKYLINE GT-R(BNR34)  NISSAN SKYLINE GT-R(BNR34)

    2023年11月の携帯待受。
    日産の'99年式スカイライン GT-R。

    ……私が4年間レースに没頭している間に、日産のクルマはまた様変わりしていた。(中略)正直私にはブルーバードとプリメーラは一見したところでは区別すらできなかった。
     何も自動車メーカー界に限らず一般的にいえることだが、良くも悪くも商品づくりに対する「夢、想い、お客さまへの新価値の提供」などは、強い志向性のリーダーが存在しないと、人は流されて、最大公約数のものづくりに入っていく。それはある意味大企業の宿命だ。
     もちろん逆に大企業ならではの力というものもあるわけだが、忘れてはならないのは、その力を生み出しているのは根底にいる人間であるということだ。本来、誰をリーダーにすえるかは最も大事なことであるのに、大企業はそれを組織で補おうとするきらいがある。それによって、責任の所在は不明になり、なにかの言い訳には「どこどこのグループがいっていた」などと曖昧なことになる。誰がどこで発言したのかを確認しない。事実を把握しないし、しようともしない。私達は本当は事実を相手に仕事をしているはずなのに、いちばん大事な事実がないがしろにされ続けていくのだ。
     その甘い、曖昧な言葉を100も組み合わせていけば、もはや、感動できる商品が出来上がることは望めない。追い求めるべき真実はどんどん遠ざかっていってしまうのだ。
     もっとも、商売は、当たり前のモノをうまくつくり、感動はさしてないけれど、販売力で売ってしまうという力業でもときに成り立つ。しかしこれは、大企業が抱える一種の病だと私は思う。
     そして、私が戻ったときに私の目には、まさにこれが蔓延していた。……
    (水野和敏著 『プロジェクトGT-R 常識はずれの仕事術』より抜粋)
    P10型プリメーラやR32型スカイラインなどを手掛けた著者(以下、『水野氏』)は'89年にニスモに出向し、
    グループCレースにてチーム監督兼チーフエンジニアとしてレース活動を行っていました。
    そして4年の出向期間を経て本社に戻ってきた彼が見たのは、
    自分がかつて熱意を込めて手掛けたクルマが「他のクルマと区別のできない」、
    悪く言えば一切の魅力を失った凡庸な代物と化したクルマと、
    そしてそれらを漫然と販売する会社の姿でした。
    この頃の日産にはもう既に大企業病が蔓延し、破綻寸前となっていたのでしょう。

    水野氏は同著の中で、さらにこう述べています。
    ……まさに、社内の空気が最も停滞している時期だった。
     たとえば、その道の専門の先生が雇い入れられ、品質管理についてはその先生の審査を受けないと新規開発の部門はラインに一切流せないことになったりもしていた。その先生の許可がなければ新規開発できないことになったのだ。
     しかもその許可の主要なファクターは「他に、類似の実例があって、実績があるのか」だった。自ずから提案者は説明しやすいトヨタの例を出し、ものづくりは進んでいった。そして、このようなシステムは、実に2年も続いたのである。意欲をそがれ、やるせなさだけが募っていく日々だった。(中略) クルマの開発を行って成功した経験のない先生にクルマの消費構造がわかるのか、商品魅力の何を知っているんだ、ユーザーの感動の何がわかるのかと怒りが収まらなかったのである。いや、その先生をありがたやと神の声のように仰ぐ上司に腹が立って仕方なかったのである。……
    この一例だけでも、当時の日産が会社として猛烈な迷走を続けていたことは明らかです。
    要約すれば、この時の日産は「前に売れたモノでなければ作れない」と言う方針を取っており、
    それはつまり、「現在のニーズ(いま売れるモノ)ではなく過去のニーズ(むかし売れていたモノ)
    を元にしなければクルマを作ることを許可しない」と言っているも同然。
    そんな体制では、「いま売れるクルマ」など作れるわけがありません。
    そして、そんな日産が'90年代を経てどんな状況に陥っていったかは、以前に述べた通りです

    水野氏の努力もむなしく、そんな渦中で作られたR34型GT-Rは、
    時代遅れの直列6気筒の鋼鉄製エンジンを四角いボディの中に収めた、
    まるで化石として生まれたかのように旧態依然としたクルマでした。
    このクルマも販売期間は約3年とかなりの短命車種となり
    ここから2007年まで、GT-Rの名前は日産の、いや、日本のクルマから姿を消すこととなりました。

    以前に僕は「R32型スカイラインは昭和を終わらせたクルマだ」と述べましたが、
    このR34型スカイラインは、'90年代を終わらせたクルマ。
    まだ残っていたバブルの余韻は、このクルマの販売終了と共に消え去ったと言えます。



    次回もグラデーションの組み合わせについて、毎月上旬~中旬頃にX(旧twitter)にてアンケートを行う予定です。
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    来年のカレンダーテーマが決まりました。
    今回、あれだけ腐しておいて恐縮ですが、
    2024年のテーマは「GT-R」にしようと考えています。

    日本車において「GT-R」の名を冠したクルマは、日産だけではありません。
    その歴史を、来年1年かけてじっくりと解説していきたいと思います。
    ……と豪語しましたが、かなり困っています。
    古いGT-Rの資料がなく、初手から難航することが予想されます。
    そこでクルマに詳しい方にお願いですが、
    日本車の「GT-R」の画像・資料を持っていたら、私、黄輪に是非、見せて下さい。
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