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黄輪雑貨本店 新館


    「双月千年世界 5;緑綺星」
    緑綺星 第4部

    緑綺星・機襲譚 4

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    シュウの話、第150話。
    ドローン部隊の猛攻。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    4.
    《警告します。DF712F-2366に耐久能力の1311%のダメージを確認しました。ダメージコントロール失敗。復帰失敗。同機との接続が切断されました。同機は破壊されたと判定します》
     オペレータたちの画面に損害状況が表示され、制御室に緊張が走る。
    「敵襲です!」
    「敵襲ぅ? 相手がいるのか? 故障の可能性は?」
    「閣下」にたしなめられてなおオンラインゲ―ムに興じていたグスマンは、面倒臭そうに応じる。
    「ダメージ1000%オーバーは故障の域を大きく超えてます!」
    「他機カメラからも撃墜の瞬間が確認できてます」
    「AI判断も敵襲だと言ってます」
     部下から苛立ち気味に返され、グスマンはようやくゲーム画面から顔を上げた。
    「じゃあ敵はどこにいるんだ?」
    「捜索中、……っ!」
     ふたたび現地のドローンから撃墜の報告が飛び、制御室は騒然とし始めた。
    「どっ、どこだ!? どこにいる!?」
    「早く探せ!」
     ドローンとMPS兵に付けられたカメラを総動員して、ようやくオペレータたちは敵を見つける。
    「あっ! 見つけました!」
    「『対象SF』です!」
    「SF!? あの特級警戒対象の!?」
     カメラに写った金と黒のパワードスーツ――スチール・フォックスの姿を確認し、ようやくグスマンも血相を変えた。
    「一般戦闘モードに移行だ! いや、特殊戦闘モード! 対SFだ!」
    「了解です!」
     オペレータたちがパソコンを操作し、スチール・フォックスへの攻撃を開始する。
    「一瞬ビビったが……まあ……我が白猫党が開発するAIは世界最高レベルの精度を誇る。これまで何度か交戦した記録を元に、対象SFの行動が細かく分析されているから、後はAIの判断に任せれば問題なく撃破できるはずだ」
     グスマンが自慢げにつぶやいた通り、AIに操作されているドローンとMPS兵は正確に、スチール・フォックスに向かって弾幕を展開した。
    「弾丸発射総数12750発、うち11256発の命中を確認。対象SF、射程距離外に離脱しました」
    「命中率88.3%か。まあ、そんなもんだな。被害状況は?」
    「ドローンが合計26基撃墜、37基が大破、中破以下は55基です。MPS兵に被害はありません」
    「データ通りだな。人を殺すのは嫌いらしい。……とは言えドローンの被害が多い。作戦遂行には不可欠だし、今日は威力偵察と言うことにして、特区境界線の西3キロまで退却させていい。破損したドローンは最寄りの基地に帰投させて、修理依頼と増援依頼を出せ。それから残ったドローンに周囲を警備させつつ、MPSに前線の構築を行わせろ」
    「了解です」
     こうして侵攻初日は、白猫軍が優勢な状況で決着した。



     1万発以上の弾丸を食らったものの、一聖と天狐が腕によりをかけて製作した唯一無二のパワードスーツである。
    《カズちゃ~ん……戻ったでー》
    「おつかれさん」
     胸と左肩の装甲が多少凹み、腕と肩の接合部分から火花を散らせてはいたものの、ジャンニは「テレポート」で無事にミッドランドへと帰還していた。
    「損害状況やけども、見たまんまやと思うわ。何べんか集中的に撃ち込んできよったせいで、シールド2、3回割られたわ」
    「ああ、記録してる。正確には6回だ。ま、装甲は神器化処理してっから、例えシールドなしでも、自動小銃や軽機関銃の弾くれーじゃ貫通はしねーがな。とは言え……」
     ジャンニが脱いだスーツをつぶさに確認し、一聖はため息を漏らす。
    「流石に千発単位で集弾されると、変形するか。案外、白猫党の武器とAIの性能もあなどれねーな」
    「言うても千発、二千発を一ヶ所に食らうとか、普通ないやん。ちっちゃい拳銃とかでもそんなんやってきよったら、同じように凹むやろ」
    「ソレが普通にされちまうから、あなどれねーんだよ。……ま、ソレでもコレくらいは織り込み済みってヤツだ。おかげで相手の戦略や行動も読めた」
     一聖はニヤッと、悪辣な笑みを浮かべた。
    「本番は明日からだ。目一杯、引っ掻き回してやろーぜ」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    150話到達。
    なんだかんだで歩みは遅いですが、着実に話は進んでいます。

    どこかの記事で「嫌な性格のキャラは(設定上の)見た目もどんどん嫌な感じになる」
    と話していましたが、シュウは今でもかわいい方です。
    第4部ではかなりギリギリな行動を執りましたが、
    まだシュウはライトサイドにいますし、少なくとも「緑綺星」が終わるまでは、
    悪堕ちしてかわいくなくなるようなことは絶対にないと約束します。

    そして気付きましたが、ブログの記事数もこの回で3,562件目。
    4,000件目も来年、再来年中には迎えられそうです。
    もちろん1,000件到達時から続けているあの企画も実施する予定です。
    その時は皆さん、是非ともコメントをお寄せ下さい。
    (最近『ブログにコメントできない』と言う連絡が寄せられているので、
    X(旧ツイッター)、もしくはメールもご活用下さい)
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